家づくりの工法の違いについて

「家作り」と一口にいっても、その建て方はさまざまです。

今回は、素材や建て方の観点から、「家作りの工法」について解説していきます。

 

従来の工法・2×4工法、そしてそれ以外の工法について

まず、木造軸組工法を取り上げます。

これは「在来工法」」ともいわれています。

昔からある工法であり、はりと柱を使って家を組み立てていきます。

耐久性に優れていること、増築・リフォームをしたいと思ったときに柔軟に行えること、どのような敷地でも合わせやすいことから、人気がある工法です。

この従来型の工法は、やはり日本では根強い人気を誇ります。

家の選択肢が増えた今であっても、日本でつくられる家のうちの50%以上が、この木造軸組工法で作られているといいます。

 

日本は地震大国です。

そのため、家にも、地震を想定した地震に強い家を建てる必要があります。

そこで注目されるのが、「2×4工法(ツーバーイフォーこうほう)」です。

これは工法のなかでも非常にメジャーであるため、知っている人も多いのではないでしょうか。

家を構成する、柱と天井、壁の3つでバランスをとり、地震に対しての対抗力を発揮する家です。

また、遮音性などもある程度あり、快適な住まいを作ることが可能です。

 

ここで紹介した「木造軸組工法」「2×4工法」は非常にメジャーではありますが、それ以外にも少し特殊な工法や考え方があります。

たとえば、ログハウスなどです。

また、2階建てのうち片方の階層だけを鉄骨系で作り、片方はまた別の素材で作る……などのように、オリジナリティあふれる家も、この「特殊な工法」に含まれるでしょう。

意外に思われるかもしれませんが、このやり方で作られた家はそれほど少なくなく、全体の1割程度を占めています。

すでに組み立てられていて、それを敷地で組み直すやり方

上では、「在来工法や2×4工法」について紹介しましたが、それ以外にもさまざまな工法はあります。

現在は、家も工場で作られる時代です。

その考えのもとに出てきたのが、「プレハブ工法」と呼ばれるものです。

この「プレハブ工法」は、工場で一定のラインまで部品を作りだし(すべてを工場生産とする場合もあります)、そのうえで敷地にプレハブを組み立てていく方法をいいます。

また、プレハブ形式の建て方は、素材によって大別されます。

 

・鉄筋系

軽量鉄骨を組み合わせて家を作っていく方法をいいます。

フレームを使って骨組みを作っていくやり方です。

全住宅の8%程度が、この鉄筋系で作られています。

また、これよりも重い鉄骨で作られることもあります。

これは「重量鉄骨造」として「軽量鉄骨で作ったもの」とは分けて考えられる場合もあります。

 

・木質系

木を材質に使って建てるものです。

「やっぱり家は木の方がよい」と考える人に向いている工法です。

意外なほどに木は強く、さまざまな家作りに使われています。

 

・コンクリート系

モダンなデザインの家を作れること、高い遮音性を誇ることから、少ないながらもニーズのある方法です。

ただ、温度変化に弱いなどの欠点はあります。

自分が長く住むための一戸建てを買うつもりならば、この点はよく注意しておいた方がよいでしょう。

また、この方法は、今回挙げている工法のなかでもっとも工期が長くなる傾向にあり、半年間程度もかかることもよくあります。

 

・番外編~ユニット系

プレハブ工法の中には、「ユニット系」「ユニット工法」と言われるものもあります。

上記3つは、パネルまでは工場で作られますが、施工自体は現場で行われます。

一方、「ユニット工法」は、工場で箱型のユニットをつくり、壁や天井の下地材、建具や設備などの取り付けまですませてしまう工法です。

工場で作られるため、工期が短くて済むというメリットがあります。

しかし、住宅自体の性能として見た場合は、ほかの工法に劣る傾向にあります。

「工場で家の部品を作ること」が比較的よく知られるようになった現在でも、このユニット工法で建てられる家の割合は多くはありません。

1%以下だと考えられています。

なお、ユニット工法については、スーモさんなどが詳しいです。

家を建てるときに、「どの工法が良い」とは一概にいえません。

それぞれのライフスタイルがあり、それぞれ何を重んじるかによって選ぶべき工法はかわってくるからです。

インテリアを買い替えたりすることはできますが、「工法」「構造体を作り上げているもの」は、原則として1度建ててしまえばもう2度と変更することができません。

仮に変更しようとした場合は、非常に大掛かりな工事になります。

そのため、購入・建築前の段階で、「自分達が求める家のかたち」「それを実現させてくれる工法はどれか」「そしてその工法は、自分達の予算の中で利用できるものなのか」をよく精査するようにしてください。